女の美学 ~嫁と姑。夫と金~

よくできた嫁「じゃない人」のススメ

 

世の中の正月休みが終わる。

 

10年以上、夫側の親戚関係の年末年始の恒例行事に参加してきた。

 

できた嫁とは程遠かったけど、一応最低限の義務は果たしてきたと思う。

 

同居とか家業とか本家とかそういう重たいものは背負っておらず気楽な方の部類に入るので、そういう方達と同じ目線には立つことは出来ないけれども。

 

かといって「うちは全く無関係で恵まれていますの。感謝」と高みの見物で仏のように綺麗事を言えるほどお気楽な立場でもなく

 

フツウに「嫁と姑」とその周りで起きるあれこれやストレスはそれなりに経験している。

 

ほんと、いつの時代もデリケートな関係性なんだろうと。

 

家の数だけ色んなドラマがあるだろうけれども、このテーマは普遍的でありつつも、「女」にとっては時代の影響を強く受ける。

 

女性も社会に出て働くようになるほど「嫁と姑」の古めかしい呪縛から逃れられるんじゃないだろうか。

 

このテーマで何かしら経験があったり悩んだ人は共感してくれるかもしれないが

極論をいうと、決着をつけるには社会に出て精神的にも経済的にも自立する事、一択なんじゃないかと。

 

経済的自立は専業主婦の人には寄り添えない解決策だけど、それでも精神的自立は出来る。

 

何事に置いてもすぐに結果を出す事は難しいし、理想を言ったところで今置かれている立場の中で地道に努力を続けることしか出来ないけれども、平和的解決のために目指すべきはそこだと私は思う。

 

 

嫁と姑って、シンプルに二人の関係性だけでは片づけられなくて、ほんとに周りの色んな事が絡んでくるからややこしい。

 

夫婦でいる以上、相手の家族との関係は切っても切れないけれども、親戚付き合いを最もややこしくするのは「金銭問題」そして「面目、見栄」的な付き合い。

 

「お互い様、助け合い」という名に隠れた「依存、支配関係」が事をややこしくする。

 

金銭問題といっても何も相続とか借金とかそういう大げさな問題でなくてもちょっとした日常の些細な事から全て。

 

金銭に絡む利害がなければ、ドライに考えた場合、単なる相性の問題に過ぎない。

 

たまの挨拶程度なら表面上だけ建前で付き合う事に徹する事もできるし

 

それでも嫌味を言われたり意地悪されるならいっそのこと「付き合わない」という強気の選択も出来る。

 

金銭問題に関しては、私自身は子供の頃に親戚でそういう問題が勃発しているのを見て育ったからある意味そこで学ばせてもらったけれども

 

自分が大人になってみると「面目、見栄(体裁)」的なものもなかなか面倒なことが分かる。

 

自分は気にしなくても夫が気にするとか。自分の家族が気にするとか。相手の家族が気にするとか。

出しゃばってくる親戚とか。

まぁ、ほんとに人の数だけ色々ある。

謎のしきたりとか思想とか宗教問題とか、些細な違いを挙げていったらキリがない。

 

育った環境、価値観、金銭感覚、親の思想、教育方法が異なる人間同士が結婚するってそういう事だ。

 

なるたけ合う人同士の方が苦労が少ないのは当然だろう。

それでも「何も問題ない」人ってきっと少ないんじゃないだろうか。

 

 

話変わって、男は嫁と姑の細かい繊細なやり取りまでは気づかない鈍感な人が多いと思う。

 

何年も一緒にいて喧嘩も沢山して、ようやく気付いてくれる人も多いそうで。

 

最初からスムーズに取り仕切れる男がいたらその人は間違いなく、嫁姑界隈ではスーパーエリートの出木杉君。

 

だから最初から気が利かない男を責めるのは早すぎて、対話を重ねて頑張ってみる努力も必要かもしれない。

 

そんな努力をしてもダメな男なら、その時に最善を考えた決断すればいい。

 

 

つらつらと持論を述べたけど、諸々、すぐ解決する事ばかりではないし

 

人生って何があるか分からないもの。

 

お世話になったり、お世話をしたり、持ちつ持たれつで付き合える人が多いことは幸せだと思う。

 

だから、多少の事には目を瞑って我慢、忍耐も必要な時もあるんだと思うし、嫌だから付き合わない!と身勝手に投げ出す事はあまり好ましい結果にならない事もあるかもしれない。

 

だけど、無理に我慢を強いられたり、意地悪にも黙って耐えたりする時代はもうとっくに終わっている。

 

奴隷じゃないんだから。

 

100対0の関係性なんて、おかしい。

 

頑張った結果、嫁姑親戚問題で精神的に病んでしまう人もいるなんて、バカげている。

 

時間、お金、人付き合い、自分の心身の健康にとっても損失にしかならない古いしきたりは捨てる勇気も必要だ。

 

もちろん捨てた分、心の安寧や穏やかな日々など得るものがある一方で失うものがあるのも当然で、それは金銭的な援助かもしれないし、周りからの評価かもしれない。

夫との衝突だって避けられないかもしれない。

それらを引き受ける覚悟だって必要だ。

 

そのデメリットが嫌ならば天秤にかけて、自分の利があると思う方を選択する。

その人にとってのベストは世間が教えてくれるものではないと思うから。

 

姑の方がどうしたって立場は上になりがちだけれど、そこを時間をかけて自分なりの50対50の付き合い方の落としどころを見つける努力をする。

 

嫁姑が戦わずに付き合える世の中のためには、夫と金の力は必要不可欠だろうと思う。

 

その夫と金の使い方、生みだし方は、大体嫁の力にかかっている。

 

姑(舅)親戚、夫のご機嫌取りなんかせずに、言いたい事を言い、やりたい事をやり、相手のお気に召さなくたってそのまま適度な関係を続けられるほど嫁が図太くなるのが一番いい。

 

そのために精神的自立、経済的自立は大きな武器になる。

 

悪しき昭和の風習よさらば。

 

がんばろう、同世代の嫁。(っていう呼び方も私は苦手だ)

 

 

 

終わり