責任転嫁は成長を止める
毒親のスタンスは基本変わらない。
年齢と共に丸くなってきたりはするけれど、根本的なところはそのままだ。
だから喧嘩になってもいつも同じ事を繰り返し、真正面から向き合ってしまう分だけストレスが心身を蝕む。
結果、お互いにとって「毒」になる事の方が多いだろう。
これは、親に限らず他人との関係でも言えることだけれど
相手を変えようとするのは時間の無駄だ。
人は何かのきっかけで徐々に変わる事はあるにしても、誰かから言われたから変われるほど単純にできていない。
本人の努力で結果的に変わることはあるかもしれないが
それを期待するのは一歩間違えば相手を支配する事になり得る。
相手が変わらないなら自分が変わるしかない
という考え方の方がまだマシだけど、それも注意が必要だ。
自分が変われば相手も変わるだろうという下心のような期待は捨てた方がいい。
変わらない人は何をしても変わらない。
そして、別に変わらなくても本人にとって問題無ければそれで幸せなのだ。
そのままでもお互いに付き合い続けられる相性の相手であれば、一生そのままでいいのだ。
むしろ、下手したら変えようとしているあなたが悪者になる可能性だってある。
被害者が加害者になる、というやつだ。
話し合いで改善の余地が無さそうな関係性は、それ以上話し合いをすればするほど関係は悪化するし、どちらかがどこかで折り合いをつけない限り修復不可能なほどお互いを傷つけ合う事になる。
折り合いというのは、我慢して相手に合わせる事ではない。
もちろん、自分の言い分を押し通し言いなりにさせる事でもない。
お互いに聞く耳を持ち、お互いに譲歩し、お互いに改善策を見出す。
それが健全な関係性。
それが出来ない相手は身内だろうと他人だろうと不健全な関係性でしかない。
配慮に欠けた言動を取り、それを相手に受け入れる事を求め、受け入れられない相手を責めて更に苦しませる人間とは、潔く距離を置く覚悟が必要だ。
あなたが一番大切にすべきなのは自分。
毒気の強い人間と数時間接触するだけでもメンタルが削られて、自分の時間が奪われる。
時間だけならまだしも、その後もしばらく大事なことに集中する気力も削がれ、心も削られるなんて、損失が大きすぎるだろう。
等しく時間、お金、パワーを使っても、より幸福度が増すような相手が、付き合い続けるべき相手だ。
結婚式でよく使われる名言のように
喜びは倍になり、悲しみは半分になる。
同性、異性問わず、あなたに前向きな影響力を及ぼす相手はそんな人だ。
分かりやすくその逆は悪影響を及ぼす相手。
喜びは半分以下にされ、悲しみ苦しみは倍以上になる。
大切な自分の意思に共感もしてもらえず、神経がやられ、そんなんでは口角も運気も下がってしまう。
言い方は悪いが疫病神に取り憑かれるようなもの。
大体そういうネガティブな影響を及ぼす人の特徴は、責任転嫁が「過ぎる」人。
白黒思考で考えてしまうと辛いので、「過ぎる」人、くらいの軽い捉え方がよいのではないかと思う。
責任転嫁はよくないから、と何でもかんでも自己責任と捉えてしまうのもまた、自分を責め「過ぎる」人になってしまうから、そこは多少意識した方がよい。
そして、責任転嫁が過ぎる人は、ずっと悪い意味で変わらない。
精神的にずっと幼いままなのだ。
なぜなら、何かがあってもいつも「自分は悪くない」「自分は正しい」
「あの人が悪い」「環境が悪い」「私に原因は無い」
としか考えられないから、成長しない。
ずっと芯がブレない人にも見えたりするので一見強く見えるようだけど、中身は弱い。
そして浅慮。
だから必死で自己保身に走る。
自己主張の一点張りだから建設的な話し合いは出来ず、相手を威嚇したり脅したり、一転して弱者を演じたりして、自分の都合しか頭にない。
人の振り見て我が振り直せ、という諺がある。
自分も、そんな人にはならないようにしたい。
毒親育ちが親を受け入れる事は難しいけれど、いつまでも親を責め続けて生きていくのも、長い目で見るときっと自らの先々の人生を暗いものにしてしまう可能性が高い。
受け入れる事は難しくても、少しずつ割り切る事で一歩ずつ「自分」を取り戻し「自分」を愛せるように前に進んでいけたらそれでいい。
続く