自分を救えない人は他人を救えない  中編 ~賢者は郷に従う~        

喧嘩上等・嫌われたくもないけどその中では誰からも好かれたくなくなってしまった

 

セミナーに属している間、コミュニティ内では何個もグループが作られ、なんとなく派閥めいたものが出来ていった。

講師の助言もあったようだ。

それも疑問だった。

 

元々「いい子」でも優等生でもない気質の自分が中途半端にいい子ぶっても、結局は自分を誤魔化しきれずに気持ちが言動に出てしまう。

 

私がそこに無理して居続けるという事は、お互いにとって調和が乱れる事だった。

 

思想を同一化したい人達はあらゆる手段で仲間を作って囲い込もうと同調圧力をかけてきた。

 

密閉された小さな集団の中での同調圧力は、立派な大人のイジメだった。

 

本人たちは未だにイジメた意識もないだろうけど。

 

むしろ自分達は正義で善意の施しをしていたのにあの不義理なクソバカ野郎、くらいに思っている人もいるかもしれないし、それも自然な感情だと思う。

 

クソバカ野郎のままで上等だ。

 

当時はそんな太々しい態度もそのままに戦闘態勢を取っていたから、圧力は益々加速した。

 

 

ボスは自分

 

グループに属する事が昔から苦手だ。

 

否応なく集団行動せざるを得ない学生時代は、気づけば気が合う人達でグループになっていた感じはあった。

が、あくまでも「気づけば自然と」一緒にいる、話が盛り上がっていつの間にか友人になっていただけだ。

 

そういう人しか周りにはいなかったし、大人になった今でもそうだ。

 

要するに人とのご縁はいつも自然の流れに任せた結果だ。

 

続くも切れるも流れやタイミングに任せている。

 

なんとなく何かの時にリードするのはその時々でこの人、みたいなものはあっても、いつも誰かが「ボス」みたいなグループにも属した記憶がほぼない。

 

 

あ、一つだけ小学生高学年の時にあったのを書いていて思いだした。

 

いつも代わる代わる誰かが無視されたりハブのターゲットになっていたっけ。

 

ボスが卒業と同時に引っ越した途端、ボロクソ言われていた。

 

恐れに支配された仲間の友情なんてそんなものだ。

 

誰かを自分のボスにしてはいけないし、自分が誰かのボスになってはいけない。

 

 

郷に入っても郷に従えない私は入る郷を間違えたようだ

 

「仲間」「友達」アピールが強い人とは昔からあまり縁がないので、当然派閥や仲間外れもあまり縁がない人生だ。

 

だけど、そのセミナーのコミュニティではそういうわけにいかなかった。

 

気色悪くなるくらい「仲間」を連呼された。

 

そんなわけでとある一つのグループに入ることになったのだが、グループラインが始まった途端入ったことをすぐ後悔した。

 

ボスのやる気が半端ない。スルーも許されない。

 

ラインだけでは満たされないのか頻繁に集合がかかり、時間と気力アンドお金を更に奪っていく。

 

交際費を必要経費とも思えないような会合。

講座に参加するだけでもうお腹いっぱいなんだけど。

 

っていうか。講師。

こっちは大金払ってるんだから講師の仕事しようよ。

生徒同士で磨きましょうだ?仲間作りとか心友とか綺麗にまとめてるけど、手抜き過ぎ。

お金と時間を体力を削って参加してるのに、人をバカにしすぎだ。

 

何のためにあなたにお金を払ったんだと思ってる?

プロ意識ないのかよ。

 

 

ダークホース 暗黒卿の出現

 

だが。

ストレス源はそれだけではなかった。

 

ボスキャラが強烈だったのでその陰に隠れていたが

グループ内で私に対して挑発的に攻撃をしてきた人がいた。

 

対面だと目立つタイプではなく、どちらかというと地味目でちょっと気弱でオドオドしていた印象の人だったので最初はギャップに戸惑った。

 

でも、そういえば対面時に思い当たるフシがあった。

ちょっとした言動の時に「あれ?」と違和感を感じた事があったのだ。

 

表向きは講師やボスにたてつく事もなく優等生風だったが、裏では講師や他人のネガティブキャンペーンをばら撒いているようだった。

 

それもあからさまではなくジワジワ遠回しで卑怯で姑息な手段だった。

 

あからさまなワルならみんな警戒しやすいのだが、姑息なやり方というのはじんわりと蝕むので、案外意識できないうちに浸食されていたりする。

 

顔の見えないグループラインではその本性の片鱗が出ていた。

 

周囲に取り入って誰かを味方につけると人が変わったように強気で人をイラつかせる煽りをしてきた。

 

はみ出し者の私を、攻撃できるカッコウの餌として捌け口にしているようだった。

 

なんだか短期間でクセの強い情報量が多すぎて、色々全てが気持ち悪くなってしまった。

 

病み気味で何かに縋りたくなるのは私も一緒だったけど、上には上がいた。

ある意味ツワモノたちの、魑魅魍魎の世界。

あの人は、ヤバめな人格しょうがいの人だったのかもしれない・・・。

 

攻撃するくせに、ばかの一つ覚えみたいにお決まりの合言葉「仲間」アピールをしてきたけれど。

 

仲間でも友達でもなんでもないし、そんな事をする人とはたとえお金をもらっても関わりたくない。

 

賢者は郷に入っては郷に従うが、賢者の中にはダースベイダーのような暗黒卿も存在するようだ。

 

 

 

後編へ続く